2012年10月14日日曜日

溶ける氷の問題










高校物理の問題集(諸事情ありまして見ました)にあった問題です。
以下gは重力加速度です。

「M[kg]の氷を平らな摩擦のある地面に置き、L[m]引きずると、
 m[kg]だけ溶けていた。この地面の動摩擦係数μ'を求めよ。
 ただし、氷1kgの溶ける熱量をd[J/kg]とする。」


 実際の問題はM = 50, m = 0.03, L = 30 でした。

この設定なら、m/M が非常に小さいとみなせるので、
引きずる間、氷の質量はM[kg]と一定にして考えられる。
よって、μ'MgL/d = m より、μ' = md/MgL と出ます。
まあそんな難しくはないです。

ここからが本題です。

「mがそこまで小さくなかったときはどうなるの??」

ここで、溶けたら普通地面は濡れるので摩擦係数も下がりますが、
そこはご愛嬌で・・・。
もとから濡れている地面の上をずるずるしたとします。

x[m]ズラしたときの質量をM(x)とする。つまり、M(0) = Mである。
x から微小距離 Δxだけズラしたときに得られる仕事量ΔWは、





で、このとき質量変化ΔMは、





Δxを移項して、Δx →0 と極限をとれば、微分方程式、





これは変数分離法で簡単に解けて、x=0でMであることを考えれば、





となる。L引きずると、質量はM-mであったことから、








さて、ここでm<<Mとしてみます。
そうすると、ln(1+x) ≒ x と一次近似できるので、





となり、最初の高校生用の解き方とばっちり合います。
最後の、ln(1+x)とxのグラフを参考にして終わります。

















見た感じ、m/M = 0.2くらいまでなら、いい近似っぽいですね。
m=0.2Mですから、あの問題(M=50kg)だとm≦10kgまでなら、
無視できるとしても、いい値で求まります。
もう少し神経質になるなら、0.1×50 = 5kg くらいまでかな。

それでも5kgなら十分近似してもいいのはなかなか驚きですね。

2 件のコメント:

  1. http://jp.arxiv.org/

    このサイトを知ってますか?

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  2. なんですか?これ、カーネル大学の・・・なに?w

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